古今東西音楽館増築部

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闘病中にて…
この半年の間まったく更新が途絶えておりまして,訪ねてくださる方々には申し訳なく思っております。もうしばらくは放置の状態が続くことをお知らせし,ブックマークはまだ消さないでね,などと甘えた事を申し添えておきます。(;^_^)ゞ
| gingerpop | - | 09:44 | comments(14) | trackbacks(122) |
Whiskey In The Jar
whiskey in the jar<これはシングル盤
by Metallica from the album "Garage Inc."1998

自分の好きな歌をちょっくら日本語で楽しんでみるコーナー。"Whiskey In The Jar"です。アイルランドのパブ・バラッドのくせにちょっと変わった筋にも名の知れている歌なんですよ。

 昨今のアイリッシュ音楽好きの増え方を見ても,楽器演奏・ダンスまでは来ても歌を歌おうなんて人はまだまだ少なくて。髪の長い麗しい女性がハープを弾きながら美しい声で歌うのを聞いてこの道に分け入った者としては,少しばかり淋しい。ましてや酒場で酔っ払いががなりたてて歌うパブソングの類を一緒に歌おうなんて酔狂な奴もいない。そもそも現地では誰でもが知っている歌がわざわざCDなんぞになることは決してないので,誰も知らず当然話が通じない。それがこの曲はヘビメタ好きの間でけっこう知名度が高い。あああの曲ねと話が展開する。なんでだ?(笑)

 最近70年代ロックの掲示板なんかで,テイスト(Taste)やシン・リジー(Thin Lizzy)がブリティッシュ・ロックじゃない(厳密には)などとしたり顔で書き込んでいる若造がおるのですが,何が(厳密には)だい。当時はみんなブリティッシュ・ロックだったのさ。あ,ご存知ない方の為に書いておきますと,どちらもアイルランドの出身ということなのですが。

 そのシン・リジー,まだ人気を得る前の1972年に出したシングルが英国でえらくヒットしています。それがこの"Whiskey ..."なんですが,日本で出てたのかな。アルバムは聞いてたんですが記憶にございません。CDの時代になって「おや,こんなことやってたのか」と微笑ましくベスト盤など聞いて知ったのです。もともと綺麗なメロディの多かったバンド,ギターのフレーズなどに今だからこそ分かるそこはかとないアイリッシュ風味が乙ですな。余興で出してみた曲が思わぬヒット。それで順風を受けて満帆になったという気がいたします。
 テンポを落し8ビートに乗せて印象的なギターのリフを付けて一丁上がり。小気味の良い演奏と歌です。多くのロック小僧に影響を与えていたシン・リジーですが,それをメタリカがカヴァーしてたってのが楽しくて,今回取り上げてみることにしました。

♪びんにはいったうぃすきー

名高いケリーの山を越えていた時のこと
ファレル様が儲けの御勘定の真っ最中
俺はピストル構え刀を抜いてこう言ったのさ
立ち上がって差し出しな この不敵な詐欺師様に

まっしゃりんだまどぅーだまだー
わっくふぉーざだでぃーおー
わっくふぉーざだでぃーおー
びんにはいったうぃすきー

数えてみるとかなりの大金
ポケットに詰め込んでジェニーの待つ家へ
ジェニーは誓ったものさ 俺を決して裏切らないと
けどよ女の言うことは当てにならねえ よく魔がさすしな

俺は部屋でひと眠り 安心し切ってお宝の夢
だがよジェニーの奴 俺の鉄砲玉に水を詰め
そしてファレル様をお呼びだ 虐殺の準備完了と来た

旅支度が整った早朝に ファレル様と手下共に囲まれた
俺はピストルを構えた 刀はジェニーが持ち逃げさ
だがよそれは水鉄砲 おかげで俺は捕らわれの身

助けてくれる奴がいるとしたら 戦友の相棒さ
もしコークかキラニーの奴の居所が分かったら
もし奴が助けに来てくれたなら
一緒にキルケニーをうろつこうぜ

誓って言うが 奴の方がカワイイ売女のジェニーよりずっとマシってもんさ


 これは後半がはしょられた短いバージョン。長いものを聞くと,捕まった後牢屋に入れられて脱獄しちゃったりもするんですが,その方が一人で山をさ迷いながら戦友の顔を思い浮かべてぼやいてる感じが出ていいですな。それにしても西部劇のチンピラ物語が思い浮かぶような歌です。キャプテン・ファレル氏とは誰で,どーして山の中で金勘定してなきゃならないのか今もって不可解な部分の多い歌です。あと,謎かけみたいな言葉遊びみたいな教訓みたいな連が最後にくっついていたりするバアージョンも見かけてはいるんですが,くどくなるのでこの辺で。
| gingerpop | folk music | 00:00 | comments(1) | trackbacks(0) |
ジュリー・ロンドン・オン・TV?
Julie London On TV
東芝EMI TOCP-8626(1995)

歌う女優のTV番組シリーズ! と思いますよね。「On TV」なんてタイトルが付いていたら…。でも単なるベスト盤。『ザ・ベスト・オブ』ではつまんねえと担当者が思ったのか確信犯的詐欺なんです。。つまり,この盤のリリース時にTV-CMが2本流れていた。それだけの理由で。まあ20曲も入っていて,40〜50年代の超有名曲ばかり。ちょっとハスキーでマイルドなジュリー・ロンドンの入門用としては最高の最適CDではあります。
| gingerpop | oldies | 00:00 | comments(0) | trackbacks(1) |
フレッド・アステアのTVショー
Three Evenings With Fred AstaireThree Evenings With Fred Astaire
KING KICP-2048(1990)

 「歌う女優のTVショー」繋がりでBBの次をナンシー様にするかどうか迷った末,今度は「歌う男優のTVショー」ということで,フレッド・アステア(Fred Astaire)です。

 1959年のエミー賞の各部門を総なめにしたと解説にある『An Evening With Fred Astaire』。その人気を受けて制作された『Another Evening With Fred Astaire』。さらに1960年に放映され61年のエミー賞を受賞した『Astaire Time』。
 それぞれの3作品のサントラ盤は作られはしたものの長いこと市販されなかったそうです。テレビ番組のサントラもマイナーなジャンルだったんでしょうか。それとも権利関係でしょうか。ビデオのない時代,なんて勿体無いことでしょう。
 この3作品のメドレー部分31曲に『Astairable Fred』というレア・トラック集アルバムの13曲を収録してある。映像が見れなくとも我慢我慢。(;^_^)ゞ

 30年代の出演ミュージカル映画から,コール・ポーター,ガーシュイン,アーヴィング・バーリンらのナンバーを次々と流れるように歌い踊るアステアの姿が見えるような前半3トラックのメドレー集。当然スタジオ・ライブでしょう。笑い声と歓声と拍手のスゴイこと。DVD にして欲しいものの筆頭ですな。
| gingerpop | rarities | 01:28 | comments(8) | trackbacks(1) |
今宵バルドーと共に
Harley DavidsonHarley Davidson / Brigitte Bardot
JIMCO JICM-89073(1992)

 今日の歌う女優シリーズ。(かつて)世界の恋人(だった)BBであります。歌は下手じゃないけど上手くはないのね。でも可愛くてコケティッシュで。自分の魅力を演技でも歌でも表現する術は優れていて,たくさんの男が彼女の為に歌を捧げたBBであります。

 残念なことにBBの歌声を聞ける機会はほとんどないに等しい。動いてる映像を見る事は映画ですら困難〜DVDでも10本出てるか出てないか〜なので,ましてやサントラが出てるはずもなくベスト盤も1枚あるかないか。その中に長年聞けなかった“ジュテーム”のオリジナル・バージョンが入っているのを見かけたら迷わず手に取りましょう。ジェーン・バーキンとの聞き比べのつもりでいいですから。(笑)

 フレンチ・ポップスの革命は,シェイラ,フランソワーズ・アルディ,そしてシルヴィ・バルタンが登場した1962年に起こったと言われてるそうです。1950年代に既に映画の挿入歌を歌っていたBBはこの期に歌手として大々的に売り出され,その後10年間に多くのヒット曲を生んでいます。20代後半〜30代だというのにこの可憐さは・・(⌒‐⌒)。
 ちなみに63年の“アイドルを探せ”〜バルタンと比べると年齢的に10歳上になるんですが,最大公約数的なフレンチ・ポップスとは一線を画すようなサウンド・アプローチです。視界が広いというかオトナ的余裕というか。…余談ですがもう一人,全く違う個性の女優ジャンヌ・モローも同じ年に歌手デビューしてるんですね。この頃のフレンチ・ポップスをイエイエしかないと思って聞かないでいると勿体無いというかね。

 そろそろこのアルバムの話。フランスの人気番組・年末のTV特番『スター・スペシャル』1967年度『今宵バルドーと共に〜Show BARDOT』として知られる映像作品のサントラです。この映像は再編集されて映画『B.B.スペシャル』として世界に配給されたもので,現在のビデオ・クリップの先駆的な作品と言えます。国内版VHSとLDはとうに廃盤。ナンシー様も同じく『Movin' With Nancy』というTV番組をやっていてこちらはDVDもあるのになあ。(;^_^)ゞ

 ジャケ写は顔だけなので,同じ写真の全体像を見せましょう。これも同じ番組からのヒトコマなんですよ。うふふふ。
B.B.Special
| gingerpop | rarities | 00:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
レディ・ブルース
レディ・ブルース組曲レディ・ブルース〜女・無言歌

 昔エアチェックしたカセトに紛れ込んでいた曲なんで,取り上げるのは気が引けたりもしますが,これはやはり一言残しておかざるを得ない曲です。

 おそらくこの曲を初めて耳にすると,誰でも3回の嘆声を上げるでしょう。イントロのグルーミーなバイオリン耳をそばだて,メドレーの選曲に膝を打ち,聞き終わって10分以上経ったことに気がつき長い溜め息をつく。
 しっとりと繊細なバイオリンは途中の微妙な装飾や短いソロもとてもいい感じ。メドレーは,伊勢崎町ブルース〜雨のブルース〜港の見える丘〜白樺の小径〜別れのブルース。歌謡曲で10分を超える曲が他にありますかね。

 さて,この大曲を作り上げたのは一体誰か?
 近頃はそうでもないような気もしますが,誰が聞いてもその人だと分かる歌声を持つのは歌手にとって最大の財産だと思います。昭和40年代の流行歌を聞いて育った耳に,この声が分からないはずがありません。故青江@ザ・ブルース@三奈でありました。だから調査は簡単でした。

 歌手生活25周年の記念に制作された『Lady Blues』(1990)。第32回日本レコード大賞で優秀アルバム賞を受賞したアルバムのトップを飾っていた曲でした。後にも先にも耳にしたのはこれだけで,受賞のおかげで放送されたのかもしれません。
 バイオリンの正体にも驚きました。故シュガーケーン・ハリス(Don "Sugarcane" Harris)がゲストで参加していたのです。どんな経緯で共演が実現したのでしょうか。

 現在,アルバムは廃盤で,この曲が入っているベスト盤は見つけていません。歌謡界での評価もわからないまま。
 調査の段階で分かったことがあります。その後1993年になって,『The Shadow Of Love〜気がつけば別れ』というアルバムが出ていました。…マル・ウォルドロン(Mal Waldron)やエディ・ヘンダーソン(Eddie Henderson)やグローバー・ワシントン・ジュニア(Grover Washington Jr.)らと作ったジャズボーカル・アルバムなんですが,ここでも『伊勢崎町ブルース』を歌っています。彼女にジャズ歌手を目指していた時期があったのか,段々とジャズの魅力にはまって行ったのか,一度聞いてみようと思いつつまだ購入には至っていないのでした。(笑) p.s.『Lady Blues』の画像はネットで拾いました。
| gingerpop | rarities | 17:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
ちんどん通信社・パレード
チンドン通信社ちんどん通信社・パレード
有限会社東西屋 CFCP-001(1998)

 いくら大雑把とは言え,商標としての「昭和歌謡」が決して受容しないであろうと想像できるのが,所謂「お座敷艶歌」「ネオン街艶歌」の世界ではないでしょうか。もう一つ挙げるなら,そんな呼称があるとして,ですが「任侠演歌」かな。字面を見ればくだくだ説明する要もないと思いますが,同じ「歌謡」でも閉塞したJ-POPの梃入れには向き不向きがあるわけで。懐メロ方面で検索すると演歌を含む商品は「昭和の歌謡曲」のように“の”が付くのが普通ですもんね。そこんとこ巧く考えたネーミングです。「昭和歌謡」とは。(笑)

 本題です。そういったどちらの方面からも外れた所で知らぬ内に育っていたのがチンドン。新しい世代のチンドン屋(職業としての)が誕生して全国大会まで開かれていることをご存知の方も多いかも。その広がりは大学の同好会だけでなく,社会学なんかのゼミで実践している所もあるんだそうで。幼少の頃見たチンドン屋と若い世代のチンドン屋の違い,あると言えばあるようで,そんなものは違いに入らないと言えば同じようで。変わったのはこちらの耳ですか。

 チンドンって音楽的にはどんな扱いをされているんでしょう。全くの門外漢なりに感じる所,日本の土着の(中華・朝鮮を含む)文化と西洋の音楽がとても深い所で融合して近代の波に打たれながら誕生した音楽に思えます。曲は今“天然の美”や“竹に雀”くらいしか思いつきませんが,日本人なら誰でも分かるっての凄くない? なのに海外で出てる日本の民族音楽に収録されてたの思いつかない。やはり日本って「高尚」なものでないと存在を認めてもらえない風土なのでしょう。

 古くはサディスティック・ミカ・バンドを聞いてチンドンの面白さに触れた音楽ファンがいたでしょう。故篠田昌巳氏のコンポステラを通じて日本的ジャズの道を見つけた人もいたでしょう。震災後の神戸で老若男女相手に演奏することで誕生したソウルフラワー・モノノケ・サミットの日本的なアコースティック・ユニットとしての魅力を発見した人も多いでしょう。またお祭りの華として目にする機会の増えたチンドン屋の演奏を大衆音楽のひとつとして聞ける層が生まれているように感じます。

 思っていたより多くのチンドン関連のCDが出ているんですが,たまたま手に入れたチンドン通信社のファーストCD『パレード』はライブ感覚より編曲や演奏の妙が楽しめるような作りになっていました。買ってみた理由はザ・スパイダースの“バンバンバン”と“ブラジル音頭”という曲名に惹かれて。面白かったのはニューオリンズのブラスバンドと酷似した部分があるのね。意識的にだと思うけれど,昔のラテンバンドが日本民謡をレパートリーにして楽しんでいたような感じかもしれないと思ったり。セカンドCDの『ロマンス』はマイク一本の一発録りで男性演歌師との共演もあるので,一般の方にはこちらをお勧めしておきます。
| gingerpop | rarities | 00:16 | comments(5) | trackbacks(0) |
踊ろよBABY!/六本木ネネ
六本木ネネ踊ろよBABY!!/六本木ネネ
ビクター VICL-8026(1991)

 「昭和歌謡」なんてのを最近よく目にしますね。この大雑把でベンリな括られ方のラベルを目にするようになってどの位経つでしょう。そう古い話ではないと思います。かつての「懐メロ」と同じようで違っているようで。若い皆さんは今の流行歌とは別の魅力を持った音楽として新鮮な気持ちで聞いているみたいだし,「昔風の新作」が作られている点が大きな違いですね。

 「昭和歌謡」はどのあたりの音楽を指すんでしょうか。「懐メロ」の印象は戦前の歌かせいぜい昭和30年代前半まで。洋楽のオールディーズの翻訳モノもかろうじて含めたとしても,昭和40年代に花開いた和製ポップスはごく一部の愛好者を除いて長い間見向きもされてなかったはずです。70年代のディスコ,80年代のニューウェーブの傍流,或いは一時的なGSブーム等のごく一部。で,どうも「昭和歌謡」はここを起点にその前後へと枝を伸ばしているような気がします。
 西洋風のビートとリズムやメロディが和風の味付けで歌われる「和製ポップス」。「昭和歌謡」に比べてずっと甘美な響きを感じてしまうのは,その時代を知っているからでしょうか。六本木ネネは「昭和歌謡」なんて何処吹く風とばかりに自分の趣味の赴くままに我がCDプレイヤーを占領し続けています。

 やっと本題。下のタイトルを歌ってた歌手,何人言えますか。

01.どうにもとまらない
02.夏の夜のサンバ
03.白い蝶のサンバ
04.絹の靴下
05.恋の奴隷
06.太陽の彼方へ
07.太陽は泣いている
08.真っ赤な太陽
09.涙の太陽

 いかがですか。順に山本リンダ,和田アキ子,森山加代子,夏木マリ,奥村チヨ,藤本好一(アストロノウツ),いしだあゆみ,美空ひばり+ブルーコメッツ,エミー・ジャクソン。一番だけなら全部歌えるという人もいるんじゃないですか。(^_-)/同士よ!

 なんだかんだ言うよりブックレットの素敵なお姉様の写真をご覧下さい。1991年のリリースですが,この格好でライブ活動やってたんでしょうか。一度は見ておきたかった。達者な歌です。数あるカバーの中でも直球勝負のダンス・ナンバーとして最高に楽しめます。
六本木ネネ
 謎に包まれた六本木ネネの正体をずっと知りたいと思っていたら,数年前,NHK のお昼のトーク番組「スタジオ・パーク」で見てしまいました。この奇跡と言うべき偶然を何に感謝いたしましょう。飽きっぽい女優さんの瓢箪から出た駒だったのです。なんだか秘密にするのが暗黙の了解みたいなんで黙っておきますね。では。
六本木ネネ
| gingerpop | rarities | 02:00 | comments(5) | trackbacks(0) |
Ann-Margret
Ann-MargretThe Very Vest Of Ann-Margret
RCA/BMG 07863 69389-2(2001)

 歌う女優シリーズ。<何時の間にかシリーズ化が決定しています。(笑) アン・マーグレットです。ロック・ファンなら,ザ・フー(The Who)のロック・オペラ映画『トミー(Tommy)』の母親役と言えばわかるかな。ナンシー・シナトラとほぼ同年齢のはずね。

 昔“バイバイ・バーディ(Bye-Bye Birdie)”1曲だけ聞いてコケティッシュな声にシビレていたにも関わらず,長い間良さそうなベスト盤に出遭わなくて。最近ようやくRCA100周年記念なる1枚を買ってみました。100周年記念というくらいだから名曲・佳曲・小品何でもござれの大盤振る舞い70分超かと思ってたのに,エルビス・プレスリー(Elvis Presley)とのデュエット2曲を含む60年代初頭のたった14曲だけのベスト盤でした。“バイバイ…”も“ワン・ボーイ(One Boy)”も入ってない。(▼▼メ)

 期待と全く異なってはいましたが,彼女の魅力が炸裂する1枚でした。以前,スタンダードを集めたアルバムで“ムーン・リバー”を歌っているのを聞いて,ずっと女優が本業のヒトかと思ってたので,ソツのない音楽活動をしているのだろうと完全に誤解していました。最初はロック・バンドを組んで歌ってた所をスカウトされたんだそうですね。見かけ通りのイケイケのお姐ちゃんだったんでしょう。映画で見てもダンス上手いし。ただブックレットの写真は好みではないの。髪をアップでなく流した,もう少し悪女っぽいセクシーなものの方が好きなんですがね。

 歌は驚きですよ。1961年のヒット曲"I Just Don't Understand"はのっけからブルージーなファズ・ギターのイントロで,思わず中身が間違ってるのかと思いデータを確かめました。プロデュースがチェット・アトキンス(Chet Atkins)というのも驚きで。以下かっこいいロックンロール,しっとりしたカントリー調の曲が続きます。ガールポップの走りのような印象的な曲も。
 なにより声の質がとっても好み。ナンシー様には敵わないけど。ほどよい甘さもあるのね。さらにマリリン・モンローみたいに女優ならではの歌い回しやセリフがとてもキュートで。うふ。

 映画の挿入歌も数曲入ってて,こちらはジャジーなオーケストラやバンドをバックにムードたっぷりのスタンダードっぽい曲で,ただもううっとりと身を任すのみ。古いサントラのコレクターが独占してるのはズルイ(笑)。CD化されてるのでしょうか。
| gingerpop | oldies | 20:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
ノルウェーのサンプラー(4)
北欧の音楽北欧の音楽〜白夜の調べ
キング KICC-5023(2000)

 しつこくノルウェーのサンプラー散策の4枚目。今回はれっきとした「世界各地の空気を音によって触れたい人に最適の一枚」という宣伝文句の“初めて聞く民族音楽”なるシリーズの第2弾…なのですが,何故かサンプラーとしても中途半端な。果たしてそのココロは?

 さあて。まず「北欧の」と謳ってる割にはブックレットのデザインがフィヨルドに重ねて散りばめられた“NORWAY”の文字。見た目からして何かヘンです。編集意図がどうも分からない。そもそもキングは「世界民族音楽集成」など一流のライブラリーを抱えている一方で,ルーツ・ポップス的な音楽を集めた“入門用「民族」音楽”も出しているのですが,首を傾げる物があります。

 例えば第1シリーズの『魂の響き〜ケルトの音楽』は17分の16がアイルランドとスコットランドの曲で,プロの若いミュージシャンが発表していた「作品」を集めているのにブックレットの写真は田舎の老人きりなのですね。一体何処が“ケルト”じゃ何が“魂”じゃボケェ。などと思ったものです。本のカバーの掛け違いに出会ったみたいな印象です。 そう言えばこの「北欧…」も17曲。悪い予感がしてきますね。(笑) 「17曲入り」に注意せよ…って,他のCDのことは知りませんけど。(@_@)

 案の定17曲中12曲がノルウェー。4曲がノルウェー国内のサーミ(スカンジナビア,ロシアに住む先住民族)のヨイク。1曲がスウェーデンでした。おかき詰め合わせの袋を破ったら海苔と胡麻しか入ってなかったみたいな。(⌒‐⌒) 
 普通さ,北欧と言えばノルウェー,スウェーデン,フィンランド,デンマークにロシア北西部も入れたいよなあ。
 で,仮りにタイトルが『ノルウェーの音楽』だったとしても,『魂の…』もそうなんですが,まだサンプラーとしても認める訳にはいきません。1曲目が Tone さん(またしても!)であっても。2曲目がアンビョルグちゃんであっても(笑)。4〜5曲目に前回触れた Bukkene Bruse がきちんと入っていても! 選曲も割りと良く,地域的にも西部,南部,北部,中東部のものがきちんと解説付きで聞けるのはありがたいとしても。何故なら録音年代が70年代のものから90年代のものまで幅がありすぎるのに,そんな断りやデータがどこにも書いてない。入門用と言いながらこれではね。編集意図や選曲の方針が見えないと言ったのはそういうことで。

 ヨイクは他の音楽と全く異質な声による自然との交感。打ち込みを使ったアンビエントなもの,ハードロック的なもの,伝統的なもの男女,それぞれ4曲が…過去と現在の対比がきちんと分かるように連続して聞けるようになっています。でも置いてある場所は少しおかしいと思うぞ。担当者さま。ここでもおざなりで適当な印象をまたしても持ってしまいましたよ。

 唯一の救いは各曲の解説がきちんとしてること。短い字数の中でよく書けたなあと好感度プラス。よく分かってる解説者だ。渡辺芳子氏。でも,短過ぎる解説にヴァイキングやカレリア(フィンランド・ロシア国境)地方のことまで触れてあるのは痛し痒しですなあ。もっと枚数をあげたら良いのに…>キングの担当者。大局的に見るとそれが将来の商売に結びつくと思うんだけどなあ。。

 最後に北欧音楽のファンとして。ブリテン諸島,中・東欧諸国,ジプシー関連,などの良アンソロジーのごとき,バルト3国・ロシアも含めた大アンソロジーがあればいいなあと思います。と書いて今回の連続ものに終止符を打ちましょう。
| gingerpop | folk music | 20:10 | comments(0) | trackbacks(1) |
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