古今東西音楽館増築部

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李香蘭(リィ・シャンラン)
李香蘭 1998年に百代/EMIから出た國語の歌18曲を収めた作品集です。香港,台湾,マレーシア,シンガポールの EMI の著作物とありながら,盤面にはメイド・イン・ジャパン。インレイの背表紙には DENON MASTERSONIC SERIES。このCDは EMI MASTERSONIC SERIES と銘打ちながら DENON…つまり日本コロムビアでリマスターされているらしい。(?_?)

 ところで「百代」とは何かと言うと,今世紀初頭にフランスのパテ社が上海の租界に設立したレコード会社です。「パテ→パイタイ=百代」ともじって名付けられたのが「東方百代唱片公司」だそうで。ちなみにパテ社は現在のフランスEMI。1930年にイギリスEMIに吸収されて「上海百代唱片公司」と社名変更したと聞きました。その後,時節柄香港に拠点を移して現在の「香港百代唱片公司」に至ると。
 資料によると1930年代の上海は,50局もの放送局,1000本近い映画,200万枚のレコードが音楽を流し続けていたのでした。華やかで活気に溢れた街を想像しますが,当然,酒と女や金との関りを知りたくなりますね。でも「上海バンスキング」も未体験な館主では貧弱な想像しか出て来ません。(;-_-)_あしからず。

 上海・香港で生まれたこれらの中国語(國語)の流行歌は1960年代には「時代曲」と呼ばれたそうです。「時代がかった古臭い曲」ではありません。「時代の寵児」の使い方の「時代」ね。映画の主題歌・挿入歌も多かったようですが,ジャズ,ラテン,クラシック,当時の世界の流行の最先端を行く音楽性に中国風のエキゾチシズムが良い具合に溶け合って,とても美味しい。マニアだけの物にしておくのは本当に勿体無い。現代の広東語ポップスとお土産カセットの民謡しか知らないのは,かなりの損です。が,時代曲についてはいずれまた。

 李香蘭の話の前に収録曲を。

01.夜來香 02.賣糖歌 03.海燕 04.蘭閨寂寂 05.烏鴉配鳳凰 06.身世飄零
07.河上的月色 08.心曲 09.分離 10.梅花 11.他總有一天回來 12.歌舞今宵
13.小時候 14.三年 15.情枷愛鎖 16.十里洋場 17.恨不相逢未嫁時 18.只有イ尓

 01〜03は声も可愛らしく,音質から戦前の録音だと思われますが,03はどう聞いても三拍子のソプラノの歌曲…どっかで聞いた覚えのある旋律だが…作曲者は華人。ローティーンの頃,健康の為に声楽をロシア人に習っていたと言う李香蘭の歌声は,端正で艶があって美しく,曲との相性もぴったりで,特にスローな曲は最上のうっとり級。美しいスコットランド民謡とそっくりな曲もあったりなんかして,素性を調べてみたくなります。

 中国楽器と中国民謡風のメロディのは1955年前後の映画「金瓶梅」の挿入歌,同時期に数本の香港映画に出ているので,この中の半分以上はこの時の録音でしょうか。香港ラテン・ソングの傑作“梅花(メェファ)”の名唱は「神秘夫人」の挿入歌,“心曲”も良い曲で…アメリカンな弦とピアノ…盗作かなと思ったらチャップリンの「街の灯」のテーマのようです。

 唯一残念なのは“賣糖歌”は入っているのに,対となる“戒煙歌”が入っていないこと。これは阿片中毒から立ち直ろうとする青年に恋をする飴売りの娘に扮した映画「萬古流芳」の重要な歌なのだ。…と言いつつ観てはいないんですけどね。百代マレーシアの20曲入りベストや国内盤のベストに入ってはいるそうだけれど,どうしようかなあ。
| gingerpop | vintage | 23:52 | comments(2) | trackbacks(0) |
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私は、1992年に百代から出た李香蘭のカセットを持っているんですが、今、取り出して曲順を比べてみると、おやおや、01と02がカットされていて、あとは全く同じ曲が並んでいます。CDより曲数が減るってのはよくある話としても、こんなカットの仕方をしますかね?どういう意味かしばらく考えるも、理由の見当もつかず。

百代の時代曲シリーズはいくつか聴きましたが、どうも当時の女性歌手たちのあの甲高い声になじめず、のめり込まずに終ってしまったのが残念です。さまざまな文化が混交し沸騰していた当時の中国の熱気、探ってみたらずいぶん面白い発見もあったろうに。

それにしても、この李香蘭の歌声が醸し出す濃厚な中国フィーリングは、熟し過ぎて腐り落ちる寸前の果物みたいなヤバい甘美さに溢れていて、強力ですな。第2次大戦後、中国政府に”日本に祖国を売った売国奴”として処刑されそうになったくらいだから中国の人々も彼女を同国人と信じていたんでしょうが、日本人と知ったときには、何を思ったんでしょうか?「くっそう、嵌められたあ」とか?
| マリーナ号 | 2004/09/23 7:47 PM |
1992年に同じ内容のカセットが出てたんですか。東南アジアの華僑には連綿と続く人気の李香蘭てことですね。紹介したCDが1998年で戦前の2曲を加え,さらに2000年を過ぎて出たベスト盤がさらに2曲増えて20曲入りです。ファンならダブっていない曲の為に財布を開けるんでしょうね。(笑)

百代の時代曲シリーズは10年ほど前に出てましたよね。お金がなかったので入門編だけ買ってたんですが,渋いブルースあり,マンボあり,中華歌謡風あり,中でも李香蘭“梅花”は一際輝いてましたが…「ヤバい甘美さ」…なははは。)^o^( 後に香港映画「HOLE」で葛蘭(グレース・チャン)を数曲耳にしてから,上海侮るべからずという気がすると同時に,1950〜60年代はやはり世界的に面白かったのだと改めて思いましたね。

> 「くっそう、嵌められたあ」とか?

 「お願いだ。中国人として死んでくれ」とか?
| gingerpop | 2004/09/25 10:09 AM |









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