古今東西音楽館増築部

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踊ろよBABY!/六本木ネネ
六本木ネネ踊ろよBABY!!/六本木ネネ
ビクター VICL-8026(1991)

 「昭和歌謡」なんてのを最近よく目にしますね。この大雑把でベンリな括られ方のラベルを目にするようになってどの位経つでしょう。そう古い話ではないと思います。かつての「懐メロ」と同じようで違っているようで。若い皆さんは今の流行歌とは別の魅力を持った音楽として新鮮な気持ちで聞いているみたいだし,「昔風の新作」が作られている点が大きな違いですね。

 「昭和歌謡」はどのあたりの音楽を指すんでしょうか。「懐メロ」の印象は戦前の歌かせいぜい昭和30年代前半まで。洋楽のオールディーズの翻訳モノもかろうじて含めたとしても,昭和40年代に花開いた和製ポップスはごく一部の愛好者を除いて長い間見向きもされてなかったはずです。70年代のディスコ,80年代のニューウェーブの傍流,或いは一時的なGSブーム等のごく一部。で,どうも「昭和歌謡」はここを起点にその前後へと枝を伸ばしているような気がします。
 西洋風のビートとリズムやメロディが和風の味付けで歌われる「和製ポップス」。「昭和歌謡」に比べてずっと甘美な響きを感じてしまうのは,その時代を知っているからでしょうか。六本木ネネは「昭和歌謡」なんて何処吹く風とばかりに自分の趣味の赴くままに我がCDプレイヤーを占領し続けています。

 やっと本題。下のタイトルを歌ってた歌手,何人言えますか。

01.どうにもとまらない
02.夏の夜のサンバ
03.白い蝶のサンバ
04.絹の靴下
05.恋の奴隷
06.太陽の彼方へ
07.太陽は泣いている
08.真っ赤な太陽
09.涙の太陽

 いかがですか。順に山本リンダ,和田アキ子,森山加代子,夏木マリ,奥村チヨ,藤本好一(アストロノウツ),いしだあゆみ,美空ひばり+ブルーコメッツ,エミー・ジャクソン。一番だけなら全部歌えるという人もいるんじゃないですか。(^_-)/同士よ!

 なんだかんだ言うよりブックレットの素敵なお姉様の写真をご覧下さい。1991年のリリースですが,この格好でライブ活動やってたんでしょうか。一度は見ておきたかった。達者な歌です。数あるカバーの中でも直球勝負のダンス・ナンバーとして最高に楽しめます。
六本木ネネ
 謎に包まれた六本木ネネの正体をずっと知りたいと思っていたら,数年前,NHK のお昼のトーク番組「スタジオ・パーク」で見てしまいました。この奇跡と言うべき偶然を何に感謝いたしましょう。飽きっぽい女優さんの瓢箪から出た駒だったのです。なんだか秘密にするのが暗黙の了解みたいなんで黙っておきますね。では。
六本木ネネ
| gingerpop | rarities | 02:00 | comments(5) | trackbacks(0) |
Ann-Margret
Ann-MargretThe Very Vest Of Ann-Margret
RCA/BMG 07863 69389-2(2001)

 歌う女優シリーズ。<何時の間にかシリーズ化が決定しています。(笑) アン・マーグレットです。ロック・ファンなら,ザ・フー(The Who)のロック・オペラ映画『トミー(Tommy)』の母親役と言えばわかるかな。ナンシー・シナトラとほぼ同年齢のはずね。

 昔“バイバイ・バーディ(Bye-Bye Birdie)”1曲だけ聞いてコケティッシュな声にシビレていたにも関わらず,長い間良さそうなベスト盤に出遭わなくて。最近ようやくRCA100周年記念なる1枚を買ってみました。100周年記念というくらいだから名曲・佳曲・小品何でもござれの大盤振る舞い70分超かと思ってたのに,エルビス・プレスリー(Elvis Presley)とのデュエット2曲を含む60年代初頭のたった14曲だけのベスト盤でした。“バイバイ…”も“ワン・ボーイ(One Boy)”も入ってない。(▼▼メ)

 期待と全く異なってはいましたが,彼女の魅力が炸裂する1枚でした。以前,スタンダードを集めたアルバムで“ムーン・リバー”を歌っているのを聞いて,ずっと女優が本業のヒトかと思ってたので,ソツのない音楽活動をしているのだろうと完全に誤解していました。最初はロック・バンドを組んで歌ってた所をスカウトされたんだそうですね。見かけ通りのイケイケのお姐ちゃんだったんでしょう。映画で見てもダンス上手いし。ただブックレットの写真は好みではないの。髪をアップでなく流した,もう少し悪女っぽいセクシーなものの方が好きなんですがね。

 歌は驚きですよ。1961年のヒット曲"I Just Don't Understand"はのっけからブルージーなファズ・ギターのイントロで,思わず中身が間違ってるのかと思いデータを確かめました。プロデュースがチェット・アトキンス(Chet Atkins)というのも驚きで。以下かっこいいロックンロール,しっとりしたカントリー調の曲が続きます。ガールポップの走りのような印象的な曲も。
 なにより声の質がとっても好み。ナンシー様には敵わないけど。ほどよい甘さもあるのね。さらにマリリン・モンローみたいに女優ならではの歌い回しやセリフがとてもキュートで。うふ。

 映画の挿入歌も数曲入ってて,こちらはジャジーなオーケストラやバンドをバックにムードたっぷりのスタンダードっぽい曲で,ただもううっとりと身を任すのみ。古いサントラのコレクターが独占してるのはズルイ(笑)。CD化されてるのでしょうか。
| gingerpop | oldies | 20:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
ノルウェーのサンプラー(4)
北欧の音楽北欧の音楽〜白夜の調べ
キング KICC-5023(2000)

 しつこくノルウェーのサンプラー散策の4枚目。今回はれっきとした「世界各地の空気を音によって触れたい人に最適の一枚」という宣伝文句の“初めて聞く民族音楽”なるシリーズの第2弾…なのですが,何故かサンプラーとしても中途半端な。果たしてそのココロは?

 さあて。まず「北欧の」と謳ってる割にはブックレットのデザインがフィヨルドに重ねて散りばめられた“NORWAY”の文字。見た目からして何かヘンです。編集意図がどうも分からない。そもそもキングは「世界民族音楽集成」など一流のライブラリーを抱えている一方で,ルーツ・ポップス的な音楽を集めた“入門用「民族」音楽”も出しているのですが,首を傾げる物があります。

 例えば第1シリーズの『魂の響き〜ケルトの音楽』は17分の16がアイルランドとスコットランドの曲で,プロの若いミュージシャンが発表していた「作品」を集めているのにブックレットの写真は田舎の老人きりなのですね。一体何処が“ケルト”じゃ何が“魂”じゃボケェ。などと思ったものです。本のカバーの掛け違いに出会ったみたいな印象です。 そう言えばこの「北欧…」も17曲。悪い予感がしてきますね。(笑) 「17曲入り」に注意せよ…って,他のCDのことは知りませんけど。(@_@)

 案の定17曲中12曲がノルウェー。4曲がノルウェー国内のサーミ(スカンジナビア,ロシアに住む先住民族)のヨイク。1曲がスウェーデンでした。おかき詰め合わせの袋を破ったら海苔と胡麻しか入ってなかったみたいな。(⌒‐⌒) 
 普通さ,北欧と言えばノルウェー,スウェーデン,フィンランド,デンマークにロシア北西部も入れたいよなあ。
 で,仮りにタイトルが『ノルウェーの音楽』だったとしても,『魂の…』もそうなんですが,まだサンプラーとしても認める訳にはいきません。1曲目が Tone さん(またしても!)であっても。2曲目がアンビョルグちゃんであっても(笑)。4〜5曲目に前回触れた Bukkene Bruse がきちんと入っていても! 選曲も割りと良く,地域的にも西部,南部,北部,中東部のものがきちんと解説付きで聞けるのはありがたいとしても。何故なら録音年代が70年代のものから90年代のものまで幅がありすぎるのに,そんな断りやデータがどこにも書いてない。入門用と言いながらこれではね。編集意図や選曲の方針が見えないと言ったのはそういうことで。

 ヨイクは他の音楽と全く異質な声による自然との交感。打ち込みを使ったアンビエントなもの,ハードロック的なもの,伝統的なもの男女,それぞれ4曲が…過去と現在の対比がきちんと分かるように連続して聞けるようになっています。でも置いてある場所は少しおかしいと思うぞ。担当者さま。ここでもおざなりで適当な印象をまたしても持ってしまいましたよ。

 唯一の救いは各曲の解説がきちんとしてること。短い字数の中でよく書けたなあと好感度プラス。よく分かってる解説者だ。渡辺芳子氏。でも,短過ぎる解説にヴァイキングやカレリア(フィンランド・ロシア国境)地方のことまで触れてあるのは痛し痒しですなあ。もっと枚数をあげたら良いのに…>キングの担当者。大局的に見るとそれが将来の商売に結びつくと思うんだけどなあ。。

 最後に北欧音楽のファンとして。ブリテン諸島,中・東欧諸国,ジプシー関連,などの良アンソロジーのごとき,バルト3国・ロシアも含めた大アンソロジーがあればいいなあと思います。と書いて今回の連続ものに終止符を打ちましょう。
| gingerpop | folk music | 20:10 | comments(0) | trackbacks(1) |
ノルウェーのサンプラー(3)
folknettnorwayfolknettnorway
FONO FNCD-1(1999)

 さて,ノルウェーのサンプラー散策も3枚目。本国からの1枚。編集されたのが1999年ということですが新録音でなく,大御所・中堅が90年代に発表した作品が多く収録されています。<ちなみに Tone さんも目出度く99年モノが1曲。(⌒‐⌒)v

 ノルウェーの文化活動審議会(?)のサポートで音楽家や録音活動の基金になる CD のようで解説は英語。ターゲットは全世界? 国が絡むとお堅い雰囲気になると思うのはどうやら日本人の先入観で,ジャズもポップスもクラシックもフォークも国=国民の財産としている国もたくさんあるんですよね。そして,ここでもワールドミュージックの流行以前からの変わらない伝統音楽をベースにした様々な表現が聴けるわけです。

 トップはハルディンフェレ(ノルウェー独自のバイオリンでドローン弦を含めると8本以上(?)の弦。<調弦が大変そう。英語名ハルダンゲル・フィドル,ハルダンゲルング・バイオリン<日本では唯一山瀬理桜さんが有名?)の凛として一歩くぐると温かい響き。この国の女声もそうだな。続けてECMの作品もあるベーシストが口琴とトーキングドラムぽい太鼓フィーチャーして贈るほのぼのした小品。さらに続けて美しい女声とヨイクを並べ,ピエール・ベンスーザンばりの生ギターで奏でられる曲を聞けば,これだけでも北欧のイメージはがらりと一変するでしょう。後半に行けば行ったで,例えればおどろおどろしい混沌から突きぬけて来る月光のような(貧弱な語彙でスマソ)音楽が聞こえて来ます。合唱しかり打楽器群しかり,口琴までも同様に使われてますが,この2面性を面白く感じられれば北欧のトラッドへの扉は広く開かれたことになります。そして随所で聞かれるフェレの音にうっとりして下さい。

 ライナーのメッセージにも,ノルウェー独自のレコード会社で作られてきたプロフェッショナルな民俗音楽の生命力と本質(ノルウェー人とサーミの)を見せたいとあります。民俗音楽が「発展を続ける」ものだと明確に伝えたいというニュアンスからも,非常に進歩的な国であることが伺えますな。

 大好きなフィドラーの一人アンビョルグ(Annbjorg Lien)ちゃん。デビュー当時,ソロ作品をがちがちの伝統主義者から批判されて活動の場を失いそうになった彼女も,活動を半分ずつにして今ではその伝統主義者も大満足の第一人者…彼女が参加するオーセンティックな方のグループ,ブッケネ・ブルーセ(Bukkene Bruse)も収録。とは言え,ここで収録されているフォークというよりはまるでプログレのような豪快なインストが最終曲であるのも象徴的かな。

 p.s.
 解説は曲が収録されているCDのデータのみというのはいかがなものか。それも曲順を間違って記してあるのは購買者をなめているとしか思えないぞ。(怒) 気に入った曲があってCDを注文したら違ったものが来るなんてサンプラーとしては失格ではないか。担当者を呼び出して小一時間問い詰・・・めdf;lgkじゃ;sdlfk。http://www.fono.no/folknettnorway/
| gingerpop | folk music | 08:53 | comments(3) | trackbacks(0) |
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